新ショウガを楽しむ|初夏の台所仕事

初夏になると、店先に淡い色をした新ショウガが並び始めます。見るからに季節にぴったりでおいしそう。ついつい手に取ってしまいます。みずみずしく、やわらかく、切った瞬間に疲れが吹き飛ぶような良い香り。一年を通して出回る「ひねショウガ」とはまた違う、この季節だけの味わいです。
今回は、新ショウガを塩でもみ、酢で漬けるだけの簡単な保存食をつくりました。そのまま食べても、ごはんに混ぜても、冷ややっこにのせてもおいしい。台所にひと瓶あるだけで、なにかと重宝する存在です。
ショウガとは
ショウガは、ショウガ科ショウガ属の多年生植物。インドを中心とした熱帯アジアが原産とされています。高温多湿を好み、日本では7〜9月によく生育します。草丈は60〜90cmほどになり、高知県、千葉県、熊本県、長崎県などで多く栽培されています。
食べている部分は、土の中で肥大した「根茎(こんけい)」です。日本へは3世紀以前に渡来したといわれ、『古事記』にも記載があり、当時は「はじかみ」と呼ばれていました。
新ショウガとひねショウガの違い
ショウガには、収穫時期や栽培方法によっていくつか種類があります。
新ショウガ
秋に収穫されたばかりの若いショウガ。皮が薄く、白っぽくてみずみずしく、辛みも比較的やわらかいのが特徴です。甘酢漬けやサラダなど、生に近い状態で楽しまれることが多く、初夏から夏にかけて出回ります。
ひねショウガ
収穫後に貯蔵され、翌年まで保存されたショウガ。水分が抜け、香りや辛みが強くなります。普段よく見る茶色いショウガはこちらで、おろしたり刻んだりして薬味として使われます。
葉ショウガ
小指ほどの大きさで若いうちに収穫し、葉をつけたまま出荷されるもの。代表的なものに「谷中ショウガ」があります。味噌をつけて生で食べたり、焼いて楽しむこともあります。
軟化ショウガ
「筆ショウガ」「芽ショウガ」とも呼ばれます。やわらかく育てた若芽部分で、刺身の妻や漬物などに使われます。
ショウガの香りと辛み
ショウガの香りや辛みは、ジンゲロール・ショウガオールといった成分によるものです。これらには強い香りがあり、昔から料理の臭み消しや保存にも使われてきました。特に新ショウガは、辛みだけでなく、みずみずしい爽やかな香りを楽しめるのが魅力です。
新ショウガの即席漬け

塩と酢だけでつくる、シンプルな保存食です。塩もみして水分をしっかりと出し切り、酢をかけて保存するだけなので簡単。塩もみしたショウガの食感や、塩加減と酢加減のおかげで、そのまま食べるのはもちろん、ごはんにもサラダにも薬味にも活用できます!
材料
- 新ショウガ 400g程度
- 塩 大さじ1程度
- 酢 大さじ2程度
作り方
1.新ショウガを洗う
土や汚れを落とし、傷んだ部分があれば取り除きます。新ショウガは皮がやわらかく、基本的には皮ごと使ってしまいますが、固そうな部分はこそげおとしてください。
2.薄切りにする

3.塩をまぶしてもみこむ
全体に塩をまぶし、軽くもみ、10~20分程度置きます。

4.水気をしぼる
ぎゅっと水気をしぼります。さらしや清潔な布で包んで絞ると簡単です。余分な水分が抜け、味わいも食感も引き締まります。


5.酢を加える
酢をまわしかけてなじませ、保存容器で保存します。色合いが淡いピンク色になります。冷蔵庫で保存し、少しずつ食べます。

食べ方
- そのまま箸休めに
- 刻んでごはんに混ぜる
- おにぎりにする
- 冷ややっこにのせる
- サラダに混ぜる
- 炒めものの仕上げに加える
さっぱりとした酸味と香りが、夏によく合います。
季節を保存する
季節の手仕事や保存食づくりというと、少し身構えてしまうこともあります。でも、塩もみして酢をかけるだけならとても簡単。それでいて短い季節にだけ出会える旬の味を少し長く楽しむことができます。
また、季節の食材には、その季節を心地よく過ごすための力が備わっていることも多いものです。新ショウガの爽やかな香りや軽やかな辛みは、春から夏へ向かう季節の変化にもよく合います。初夏の台所仕事として、ぜひ試してみてください。
