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ビオトープの生きもの調査に参加して―視点が増えると世界はもっと面白くなる

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こんにちは。土と手のひかるです。

南平交流農園(東京都日野市)で行われた「ビオトープの生きもの調査」の結果共有に参加しました。

南平交流農園は、地域の皆さんが野菜づくりを楽しむだけではなく、人と人、人と自然がつながり、自然に親しみ、学び合う場として運営されているコミュニティ農園です。畑にはさまざまな世代の方が集まり、季節の手仕事や交流を通して、「農のある暮らし」を日常の中で実践しています。

南平交流農園には、畑だけではなく小さなビオトープ(水辺環境)があります。多摩丘陵の斜面からしみ出る地下水が湧水となって農園まで届き、水辺をつくっているのです。畑と水辺、生きものや植物、多様な関わり合いを感じられる場所になっていること、そして今回のように地域を巻き込んで生きもの調査ができることに魅力を感じました。

今回の調査は、日野の自然を守る会 の村岡様をお招きし、一般社団法人TUKURU のみなさんのサポートのもと行われたものです。観察結果はとても興味深く、自然への視点や興味を、ぐんと広げてくれるものでした。

(実は当日は農園のてんぷらパーティーも同時開催されており、私はてんぷらを揚げまくっていたので、最後の調査結果しか見ることができず……。てんぷらも楽しかったし、でも生きもの調査への興味もがんがんに刺激されたのでした。そのときの記事はこちら


ビオトープの奥深さ

今回の調査では、さまざまな生きものや植物が見つかり、今の自然環境が見えてきました。

実は調査の約1か月前、湧水がせき止められ、ビオトープが干上がるという出来事がありました。その影響は今回の調査結果にも表れていましたが、そのようなことがあったにもかかわらず、生きものたちがいたことに私は驚きました。生命力や生存力の強い生きものたちや、干上がってもなお生息している理由のある生きものたちが見つけられたことがとても興味深かったです。

落ち葉を分解し、他の生きもののエサになるようなヨコエビがいる一方で小さな生きものをエサとするクモ類もすでに見られていたことも印象的でした。小さな青いエビのような生きもの、ヨコエビ、モノアラガイ、ザリガニのハサミ、水辺に広がる植物たち…一見すると「ただの池」に見える場所でも、視点を変えると、そこには確かに小さな生態系が!

  • 日陰と日向で環境が違うこと
  • 植物が増えすぎると水面が覆われること
  • 水面の開き方によって生きものが変わること

などを教えていただき、感覚的に理解することのできる貴重な機会となりました。


自分なりの図鑑ノートをつくってみた

ミニ図鑑

教えていただいた内容を、自分なりに整理したり調べたりして、「小さな図鑑ノート」のようなものを作ってみました。発見されたそれぞれの生きものが、

  • どこにいるのか
  • 何を食べるのか/何に食べられるのか
  • どんな自然環境を表しているのか
  • 他の生きものにどんな影響があるのか

をまとめていくと、ただの「生きもの」だったものに、意味や背景や関係性が見えてくることが面白かったです。


伝える・共に考えるということ

調査結果を交流農園参加者のみなさんと共有する機会に参加することができました。

どうしたら単なる「調査報告」ではなく、交流農園のみんなで一緒にビオトープの意味や生態系・多様性について考えることができるだろうか。「自分にもできることがある」という感覚を持つことができるだろうか。と悩みながら準備する時間は私にとって大きな学びになりました。

生きものごとの特徴や、生きものから読み解ける自然環境をまとめていく中で、「考えること」「表現すること」「伝えること」の奥深さや楽しさも改めて感じることができました。

ビオトープに関して特に印象的だったのは、小さな生きものたちが実は環境全体を支えるはじめの一歩を積み重ねていることです。ヨコエビは、落ち葉を分解し、他の生きもののエサにもなる「水辺のおそうじやさん」のような存在。水辺にいるクモ類も、小さな虫を食べる側でありながら、鳥などに食べられる側でもあり、生態系のつながりの中にいます。さらに、キショウブのような外来植物は、美しい一方で、水辺環境を大きく変えてしまう可能性もあります。「自然に見えるもの」も、人との関わり方次第で姿が変わることに、考えさせられました。


ビオトープから見える「点」と「面」

今回の学びの中で、さらに視野が広がる感覚があったことは、ビオトープはその場所として「小さな生きもののすみか」であると同時に、他のビオトープや自然環境との「つながり」でもあるということです。ひとつのビオトープの中にも、さまざまな関係性やネットワークを見つけることができますが、そのエリア全体でのつながりにも視野を広げると、その意味は一段と豊かなものになるのだと思いました。

複数の要素が重なり合うことで、生きものたちの暮らしが成り立っています。「点」だけではなく「面」で見ることで、自分たちの営みが思わぬところに影響していることにハッとしたり、逆にうれしくなることがあり、これは自然を見るときだけではなく、人の暮らしや地域との関係にも通じているように感じました。


「知る」ことで、地域がもっと好きになる

花と虫

今回の調査結果を聞いてから、視点が増えて、私は普段見る景色が少し変わりました。「ただ通り過ぎていた風景」にさまざまな意味が生まれて、少し近づいて見てみたり、少し立ち止まって時間の経過を観察してみたりするようになりました。「〇〇という花や生きもの」としてひとまとめに見ていたものも、時間をとって近づいてみると、「一つの個体」としてたくさんの発見があります。(実際にガーデンに咲いていた花々には、それぞれにその花を好む虫がいることに気づきました。)

これはきっと、子どもたちにとっても同じです。自然体験を通していつもの景色をさまざまな場所から見て、考える力を育てることは、毎日の暮らしをより豊かにすることなのかもしれません。

日野市に転居して9か月。ここには自然との距離の近さがあることを実感しています。今回の学びを通して、改めて日野の自然の豊かさと、それを守り育てている地域の方々の存在を体感した時間になりました。

この記事の著者

ひかる  

2児の母。慶應義塾大学卒業後、企業勤務を経てレシピ開発・執筆に従事。生産者取材を通じ食の背景と体験の価値を探究。現在は東京都日野市で「おこめとおだしのある時間」を主宰。育て、つくり、味わう体験を通じた学びの場づくりをしている。

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